日本のことわざで『九死に一生』と言う言葉は誰でも知っている通り、10回中1回でも助かればまだ良い方とまさに命の瀬戸際な出来事のことを言うがその場面に出くわした人は少ないのではないだろうか。自身でなくても自分の周りでそのような自体が起こったときにあなたはすぐに救助活動をするため動けるだろうか。誰かの命が危ないときは救出する人にも命の危険が及ぶ事が多いが、自身の危険を顧みず勇敢にすぐ行動する人もいるのだ。今回はそんな九死に一生事件と共に命を救ったヒーローを紹介します。

トラック大爆発から運転手を救ったハーレー乗りKABUKI

今から20数年前愛車のハーレーで道路を流している走り屋(チームには入っていない)のKABUKIさん(仮名)はとんでもない現場と遭遇する。幅の広い国道で大型トラックが衝突事故を起こしているのだ。幸い相手はおらず、電柱に激突し運転手も意識がない状態だ。それだけならまだしもトラックの下を覗くとガソリンが漏れ出しており最悪の事態も考えられる状況なのだ。KABUKIさん(仮名)はそんな緊迫した極限状態の中いち早くトラックに向かい救助活動を行った。救助後KABUKIさん(仮名)は『考えるよりも体が動いてました』と語っている。

ここまではよくある酷い事故でよくある話だが実際の現場はと言うとトラックの周りを数十名の野次馬が囲んでおり、ガソリンに引火した場合その野次馬も全員命を落とす可能性が高いのだ。KABUKIさん(仮名)はハーレーに乗り革ジャン革パンに赤の長髪と奇抜かつ強烈な見た目で野次馬を『邪魔だどけ!全員ここから離れろ』と一喝。その後アクセサリーとして首に巻き付けていた工事用の鎖でトラックの窓ガラスを破壊し運転手を引きずり出し救出成功。そしてトラックから離れた瞬間ガソリンが引火し大爆発したのだ。あと5秒救助が遅かったらトラック運転手は現在この世にいなかっただろう。また救助したKABUKIさん(仮名)は警視庁から表彰された。表彰理由は複数名の命を救ったことで運転手のみならず野次馬を放置していたら数十名の野次馬も命を落としていたと言うことだ。

秋葉原通り魔事件の裏でトリアージにより大勢の命を救った隠れたヒーロー

秋葉原通り魔事件とは2008年に起きた無差別通り魔事件である。被害者は全員で17名にのぼり内死亡者は7名と最悪の通り魔事件である。手口は赤信号の横断歩道にトラックで突っ込み、その後逃げてる人を追い回し切りつけると言う非道な犯行だった。この事件は全員死亡でもおかしくない程被害者は重症だったのだ。そこにはニュースでは放送されない民間人による隠れた救助活動があったとされる。
実際にあった救助活動を話す上で欠かせない「キーマン」となったS氏と言う人物がいる。この人物は周りにいる民間人に声をかけ負傷したものを一箇所にまとめ、医師や医療従事に携わった経験がないにも関わらずトリアージ(医療を受ける優先順位)を行い仕方などの指示を出し救急車が来るまで命を延命させたと言うのだ。これは医師でもなかなか出来る人はおらず、即時に指示できるのは経験を詰んだ救急救命士位だろう。救急車で向かうスリーマンセルの中に必ず1人は救急救命士を入れると言うルールがある位、経験が豊富な救急救命士は命を救うプロ中のプロなのだ。トリアージ行うには知識は勿論の事、強い度胸が必要だ。トリアージは別名『命の選抜』と呼ばれており、助かる見込みが低いと処置はしないと言う判断を降さなければ行けないのだ。事実上命を助けない行為なので「切り捨て」の判断をしたものは医師でもその後長い間引きずって生きてしまうと聞いた事がある。それをS氏は一般人の身でやった事を考えると人助けをするために生まれてきたかの様な人だ。

現場に救急隊員が到着してから隊員がS氏にあなたの迅速な処置のおかげで沢山の命を救うことが出来たと隊員全員から最敬礼され、後日警視庁から感謝状が送られたそうです。

豊島園で勇敢に飛び込み2人の命を救った和彫りの男

東京都豊島区に1936年から開業を続けた遊園地やプールが入る「豊島園」だが2020年8月に閉鎖となった。長く開業していたこともあり事件や死亡事故も相当数ありましたが、死亡事故寸前で助けられたケースも多い。今回はプール施設での救出劇を紹介する。背中に和彫りの紋紋が入っている男性Sが小さい男の子とライフセイバーを助けた事例だ。男の子(推定5歳)は両親と共に流れるプールに入っており浮き輪をつけて泳いでいたが両親が会話に夢中になっているときに事件は起きた。なんと男の子が浮き輪から落ち溺れてしまったのだ。両親はそれでも気付いてない様子で男性Sはいち早く気付いており、助けようとしたのだがライフセイバーが助けに向かおうとしていたので一旦様子を見ることに。しかしまたアクシデントが起こってしまう。助けに行ったライフセイバーが流れるプールに勢い良く飛び込んだ瞬間、衝撃でライフセイバーが気絶して溺れ要救助者が2名になってしまったのである。水深1.2mの流れるプールで要救助者2名、近くにいる両親をはじめ誰も溺れている状況を気づいていなかったが、男性Sはいち早く流れるプールに勢い良く飛び込んだ。そして左腕に男の子、右腕に70キロはあろうライフセイバーを抱えプールサイドに下ろした。しかし2人とも息をしておらず心肺停止状態になっていた。そこで2人の心臓に絶妙な角度と強さで突きを入れると水を吐き出し息を吹き返したのだ。男性Sはその後豊島区から表彰を受けている。ライフセイバーが溺れるケースはかなり稀であるが、同時に事件は何が起こるか予想ができないと言うことを改めて認識させられる。

渓流釣りデート中に子供を救ったコワモテ彼氏

年下彼女と連休中のちょっとコワモテの男性Sは奥多摩の渓流で釣りを楽しんでいた。魚もほどほどに釣れて網焼きをしている中、信じられない光景が入ってきた。上流から魚ではなく小さな男の子がライフジャケットを着て流れてくるのだ。すぐさま川に飛び込み男の子を救出。川の流れはとても激しかったが幸いにも男の子は無傷で外傷もなければ水を飲み込んだ形跡もない。親が心配しているだろうと子供を引き渡すため上流に行くと複数の子供と親らしきママ友集団がいた。ママ友集団は自分たちの食事に夢中になっており子供が1人川に流されたことなど全く知らない様子。そしてついにSはキレてしまう。手は出さなかったもののママ友全員を並べ説教し、子育てとはなんぞやを一から教えるがママ友たちは酔っているのか理解できていない様子。全員が酔っ払っており子供をほったらかしだったため、ここでSが男気をみせ子供全員に『お前ら全員ついて来い!』と下流で子供全員と一日中遊んだのだ。本気で遊び足先が海面から出るほどの渾身のジャンプをした際に仕事に支障をきたすレベルの足の故障はあったものの、見た目はいかつい男性が子供を救助し親の代わりに一日中遊んでくれるとは人は見た目ではないと考えさせられた。

まとめ

上記のようなケースでは自分の命も危険に晒すことになるが見返りはなく警視庁や区の感謝状をもらえるくらいだが、事件が起きた状況で即行動し救助活動をするS達は「ヒーロー」と言われても良いのではないだろうか。この4事件に関わったS達はいずれも地元じゃ手のつけられないほど札付きの悪であり世間からは完全に見放され「無視」されている。しかし彼らにも良いところはあり今回のような救助活動は誰よりも先に行動し実際に命を救っている。S達は他の救助活動はもちろん満員電車でお年寄りが立っていたら若い奴を引きづり下ろし席を作り譲ったりと心は温かいのだ。私はS達に対して世間がもう少し暖かい目をもち接することを願うばかりだ。またS達の今後の活躍にも期待したい。

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